がかかって来ました。
「おい、なんだ」
「ああ首領? たいへんなことになりました」
そういう声は、第一号の黒人の声でありました。
「えっ、たいへんとは、何がどうしたのか」
「この間、方向舵をなおしましたですね」
「うん、なおした」
「あの方向舵が、今こわれてしまいました。ちょっとうごかしてみただけなんですが、あれをうごかすモーターから、いきなり火が出たと思ったら、それっきりうごかなくなりました。どうしましょうか」
「どうするって、そいつは困ったな。それでは出発できないではないか。一体、なぜモーターが焼けたりしたのか。お前がよく番をしていなかったせいだ。その罰に、お前を殺しちまうぞ」
5
いざ出動というときになって、怪塔ロケットの司令機が故障になったという騒《さわぎ》ですから、怪塔王はかんかんになって黒人をどなりつけました。しかし、故障のモーターは、そうかんたんになおってくれません。
「困ったなあ。おい、早くモーターがなおれば、お前を殺さないでゆるしてやるよ」
怪塔王も困って、モーターをあずかっていた黒人に、ごきげんとりの言葉をなげました。
「えっ、モーターが早くなお
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