あの尊敬すべき国宝的学者が、まさか大国賊になろうとは思われない」
「でも、大利根博士邸で発見されたいろいろな怪しいことがありますねえ。あの怪しいことは、どう解いたらいいでしょうか。今もし大利根博士が怪塔王に変装しているのだと、かりに考えてみると、この怪しい節々は、うまく解けるではありませんか。博士邸と怪塔が、まったく同じような仕掛になっていること、同じ鍵であくことなど、みな合点《がてん》がいくではありませんか。どう考えても、怪塔王というのは大利根博士が化けているのだとおもいます」
「一彦君のいうところは、もっともなところがある。しかし私には、あの大利根博士が、そんな見下げた国賊になったとは、どうしても考えられないのだ」
塩田大尉は、まだどうしても、一彦のいうことを全部信ずる気にはなれませんでした。
ちょうどそのとき、本隊から池上司令官のところへ、怪塔ロケットを追跡中行方不明になった小浜兵曹長からの無電がはいって来たという喜ばしい報告がありました。
「おお、小浜兵曹長からの無電がはいったそうだ」
「えっ、小浜は生きていましたか」
と、おどりあがったのは、塩田大尉です。
「うむ、生き
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