いさみたちました。
「帆村君、はやく来いよ」
 兵曹長の眼はかがやき、胸はおどります。この白骨島に不時着してからこっち、おもいがけなく戦友の姿をみたものですから、これほどうれしいことはありません。やがて、人影はだんだん大きくなりました。
「おお、小浜兵曹長! よく生きていたなあ」
 そういって飛行服の勇士の一人がずかずかとよって来ました。それをみると小浜兵曹長は、
「あっ、塩田大尉! 上官でありましたか」
 とさけびました。うれしさのあまり、両眼からは熱い涙がどっと湧《わ》きいでました。だきつきたい心を一生懸命おさえて、兵曹長はその場に気をつけをして、さっと挙手の礼をおこないました。
 塩田大尉は、たいへん満足そうに敬礼をかえすなり、兵曹長の手をしっかり握り、その逞《たくま》しい肩をたたいて、
「よくまあ無事に生きていたなあ。貴様からの無電が艦隊にはいって来たときには、それを聞いて皆《みな》泣いてよろこんでいたぞ」
 といって、大尉がうしろをふりかえると、そこには待っていたなつかしい隊員が、わあっといって小浜兵曹長のまわりをとりかこんで、抱かんばかりのよろこびです。兵曹長はこのとき、姿勢を正し、
「それにつけても、残念なのは、青江のことです。青江を殺して申しわけありません」

     4

「青江は気の毒なことをしたなあ。しかし仕方がないよ、戦争なんだから」
 塩田大尉は、小浜兵曹長の肩をたたいて、慰《なぐさ》め顔にいいました。
「小浜は、彼のかたきうちをするつもりでいましたが、こんなことになって不時着し、飛行機をこわしてしまいました。それからこっち、帆村探偵がいろいろと元気をつけてくれたのです。おお、帆村探偵、一しょについて来たと思いましたが、そこらにいませんか」
 帆村探偵は、どこへ行った?
「ああ、あそこにいるのが帆村じゃないかね」
 塩田大尉の指さしたところを見れば、はるか三百メートルほど向こうにおくれて、帆村探偵が地上につきたった大きな筒を、しきりに引抜こうとしているではありませんか。
「あれは帆村探偵です。なにをしているのでしょうか。ちょっと見て来ましょう」
 小浜兵曹長がかけだすと、塩田大尉たちも、それについて、帆村のいるところへ一散ばしりです。
「おい、どうした帆村君」
「ああ、小浜さん、ああ塩田大尉、よく来てくださいました。御挨拶はあとにして、こ
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