ごくとあぶないよ。どうして、あなたは、こんなところへ?」
帆村探偵は、全身ずぶぬれです。
「いや、えらい目にあいました。この上の洞窟の中でね。例の大利根博士にあったんですが、博士のために、すでに一命をおとすところでしたよ」
「ああ大利根博士、博士なら、さっきここへも来たが。――」
「えっ、博士は来ましたか。そして、博士はどうしました。小浜さんは、なんの危害もうけなかったのですか」
そういわれて、兵曹長は、いまいましそうに舌うちをしました。
「やられたよ、うまくやられてしまった。せっかく怪塔を占領していたのに、博士が来て、うまいこといわれて俺は外へとびだした。すると待っていましたとばかり、怪塔は空へとびだしてしまったよ」
意外な通信筒
1
硝煙のあいだに、ふたたび手をとりあうことのできた帆村探偵と小浜兵曹長とは、たがいに勇気百倍のおもいです。
「小浜さん、これから、どうしますか」
「それはわかっている。あくまで怪塔王をやっつけるのさ。そして、この根拠地をすっかり占領してしまうのさ」
「わかりました。では、われわれはさしあたりなにをすればいいのでしょうか。戦《たたかい》は空中で始っています。それなのに、われわれには、飛行機もなければロケットもない。これでは、空中にとびあがろうとおもっても、できないのが残念ですね」
「うむ、さっきから、それを残念がっているところだ。ああ、われに一台の飛行機があれば、怪塔王をどこまでも追撃するんだがなあ」
と、小浜兵曹長も、両腕をさすってくやしそうです。飛行機のない航空兵、そして空中には壮烈な空中戦がひきつづきおこなわれている。まったく、兵曹長の心のうちは気の毒でありました。
そのときでありました。硝煙わきたつ島上に、にわかに猛烈なプロペラの音が近づいてまいりました。
「おい帆村君、敵か味方かわからんが、低空飛行でもって、こっちへやって来るやつがいる。はやくそのあたりへ体をかくすがいいぞ」
「あ、わかりました」
といっているうちに、硝煙をやぶって、二人の頭上に近づいた数台の飛行機がありました。
「あっ、味方の攻撃機だ。あぶない、体をかくせ」
いちはやく兵曹長は、飛行機の種類を見きわめて声をあげました。機翼にあざやかにえがかれている日の丸! たしかにそれは味方の攻撃機です。しかし、この低空飛行はなぜで
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