「あっ、ロケットだ。ロケットが、島へかえってきた」
「えっ、ロケットが、島へかえってきたって」
 大利根博士もつづいて窓のところによりました。なるほどまちがいなくロケットです。西太平洋の空中で、秘密艦隊のためにあべこべ砲で手きびしくやっつけられたロケット隊の生きのこりの一台です。
「おお、あれは隊長ののっているロケットだ」
 大利根博士は、おもわず、そうさけびました。
「えっ、隊長機? 隊長とは、誰のことですか」
 兵曹長は、博士の言葉をききとがめて、たずねました。
「隊長機――というのは、つまり怪塔王の部下で一番えらい奴が、隊長としてのりこんでいるロケットだ――どうだね、小浜君、あのロケットが着陸するのを待ってとり押さえては――」


   光るロケット



     1

 隊長機のロケットを、とり押さえてはどうだと、大利根博士|実《じつ》は怪塔王からいわれて、小浜兵曹長は大きくうなずき、
「そうだ。よろしい、あのロケットをとり押さえよう。これはすばらしい獲物だ」
 いつ、どんなときにも、おそろしいということをしらぬ勇士小浜兵曹長は、この白骨島に不時着このかた、ちょうど腕がなってしかたがないところでありましたので、怪塔王にいわれるままに、ロケットを分捕《ぶんど》ってしまう決心をかため、階段をかけおりました。
「どちらへお出かけになりますか」
 と、黒人が心配そうにたずねました。そのとき怪塔ロケットは、悪いところが直って、まもなく出発できるようになっていました。ですから、黒人は、兵曹長からの約束で、いよいよ体を自由にしてもらえるときがちかづいたとよろこんでいたところでありました。
「いま、着陸するロケットがあるから、あれを分捕ってくる。ちょっと待っておれ」
「は、そうですか」
 といったものの、黒人は、小浜兵曹長があまりに大きなことをいいだしたのにびっくりして、あとはいいだす言葉も見つかりません。
「じゃ、ちょっと待っているんだぞ」
 といい捨てて、小浜兵曹長は外にとびだしました。
 そのとき、兵曹長の耳をきこえなくしてしまいそうに、ロケットの尾からふきだすガスのはげしい音! それとともに、あたりはもうもうとした白い煙のようなもので、すっかりおおわれてしまいました。兵曹長は、ロケットを見失ったかと思いましたが、そのとき、ひゅうっと、一陣の風もろとも、灰色のロ
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