躍《おど》りでたのです。
「おお、大利根博士!」
「えっ!」

     3

「大利根博士!」
 と声をかけられて、相手はびっくり仰天《ぎょうてん》しました。思わずたじたじと、体をうしろにひきましたが、あっあぶない! そこにはさきに怪塔王の墜落した岩の割れ目があります。
「だ、誰じゃな」
 博士は、しわがれた声で、口ごもりながらいいました。そして手をうしろへまわして、しきりに岩をさぐっています。逃路《みげみち》があれば、逃げるつもりとみえます。
「あははは、博士はご存じないかもしれませんが、僕は帆村荘六という探偵です。博士のお行方を心配して、ここまでやってきたものです。お見うけしたところ、僕たちの心配していたのとはちがって一まずご無事らしいのは、なによりうれしいことです」
 帆村は博士を見つけたうれしさに、じつはもう胸をわくわくさせていたのです。博士の手を握って、ありったけの喜びの言葉をのべたいとおもいました。なにしろわが国にとって国宝的な学者といわれる博士、そして十中八九まで死んだものと信ぜられていた博士を、ついにさがしだしたのですから、帆村の興奮するのも決して無理ではありません。しかし彼は、あまりに博士をおどろかせてもとおもい、飛びたつばかりのわれとわが心を、できるだけこらえている次第でありました。
「ああ、帆村探偵か。いつか、どこかで聞いたことのある名前じゃ。私をさがしに来てくれたとは、まことにありがたいことじゃ。しかし、いきなり前にとびだされたのにはおどろいたぞ。うふふふ」
 大利根博士は、やっと気がおちついたようであります。
「博士は、一体どうなすって、この白骨島へおいでになったのですか」
 帆村は、いままで気にかかっていたことをたずねました。
「な、なぜ、この白骨島へきたかと聞くのか。そ、それはじゃ、つまりそれは、あの憎むべきところの怪塔王の仕業じゃ」

     4

 岩窟内での、めずらしい対面!
 大利根博士とむかいあって、帆村探偵の胸はまだおどりつづけています。博士の説明によりますと、博士は怪塔王のため、ここへつれこまれたということです。
「それはずいぶんお苦しみのことだったでしょう。僕たちが見つけた以上は、身をもっておまもりします。ご安心ください」
 帆村は、博士をなぐさめるために、そういわないではいられませんでした。
「ああ、どうもありがと
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