ぐさま小浜兵曹長に結果を知らせてやりました。
 そして、もっと島の模様を知らせてよこすように命令を出しました。
「よろしい。まず地形をのべます。島の中央に、鋸《のこぎり》の歯のような岡があり、その東……」
 と、そこまで無電は文字をつづってきましたが、とたんにぷつりと切れました。あとはどう催促してもだめでした。
 小浜兵曹長は、どうしたのでしょうか。
 いや、どうしたのどころではありません。白骨島のうえでは、いま大格闘がはじまっているところです。
 小浜兵曹長は、本隊との無電連絡で、一生けんめいになっていましたところ、とつぜん背後から首をぎゅっとしめつけられました。全くの不意うちでありました。
 兵曹長は、救難信号をうつ間もなく、電鍵から手をはなさなければなりませんでした。
「な、何者!」
 というのものどの奥だけです。兵曹長は、自分の首をしめつけた曲者の腕をとらえて、やっと背負投《せおいなげ》をしました。それから大乱闘となったのです。とつぜん現れた相手は一体何者でしょう?

     2

 勇士小浜兵曹長は、息つぐまもなく前後左右からくみついてくる怪人たちを、あるいは背負投でもって、機上にあおむけに叩きつけ、あるいはまた得意の腰投で投げとばし、荒れ獅子《じし》のようにあばれまわりました。
 兵曹長をおそった怪人たちも、このものすごい兵曹長の力闘に、すこしひるんでみえました。そして砂上に、遠まきにして、兵曹長をにらんで立っています。
 小浜兵曹長は、はじめてこの不意うちの敵をずらりとみまわしました。
 敵の人数は十四五人もありました。兵曹長一人の相手としてはずいぶんたくさんの人数です。
「な、何者だ。俺をどうしようというのか」
 小浜兵曹長は、ひるむ気色もなく、敵に対してどなりつけました。
「う、ううっ」
 と、呻《うな》っている敵方の面々は、黒人があるかと思うと、ロシヤ人がよく着ているルパシカという妙な上衣《うわぎ》をきている者もあります。このルパシカをきているのは、白人のようでありました。
 そのうちの一人の白人が、たっしゃな日本語でもってしゃべりだしました。
「アナタは、向こうの山へのぼって、下になにがあるか、ことごとく見たでしょう。白状なさい」
 言葉はたいへんていねいですが、敵の身構《みがまえ》はたいへんものすごいです。多分彼は、こういうていねいな日本語
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