しかしその部屋にどんなものがあるのかについてはわかりません。わかっているのは血痕が中までつづいていたことだけです。
怪しい機械
1
大利根博士の地下秘密室のおもい壁扉は、まだぎりぎりぎりと音をたててあがっていくところです。
新しい科学兵器の研究者として名高い大利根博士は、いまどこへいっているのでしょうか。この前、軍艦淡路にあらわれたきり、誰も博士の姿を見たものがないのです。磁力砲にやられた軍艦淡路の鉄板をたくさん切りとってもってかえった博士は、それをしらべてくれるはずでしたが、博士は本当にしらべているのでしょうか。
一彦少年は、大利根博士のことを、たいへん怪しい博士だとおもっています。塩田大尉は、それと反対にかなり信用しているようです。
どっちが本当か、それはいずれはっきりわかるでしょうが、一彦にしてみれば、いくら秘密の研究をしている学者にしろ、邸内にずいぶん怪しい仕掛をしているのがなにより不審でたまりません。
大利根博士の実験室が、部屋全体エレベーターのように下におりる仕掛になっていたり、またさっきみつけた隅っこの鍵穴に、あの怪塔王のもっていた猿の鍵がぴったりはいったりするところから考えると、大利根博士と怪塔王とは、なんだか深い関係があるようにおもわれます。
その深い関係とは、はたしてどんな関係でありましょうか。
重い壁扉はぎりぎりぎりと上へあがっていきました。そしてとうとう壁だったところが、すっかり開放しになりました。
いまこそ、室内がよくみえます。
おおその部屋は、ちょっとした倉庫ほどもあるひろい部屋です。しばらくあけたこともなかったとみえ、中からはぷーんとかびくさい臭がただよってきました。
「こら、出てこい」
塩田大尉は、暗い部屋に向かって叫びました。しかし室内はたいへんしずかでした。
2
「誰もいないようだ」
塩田大尉は、一彦をふりかえっていいました。
「でも、中が暗くて、よくわかりませんね」
「待った。そこに電灯のスイッチが見える。いまつけるから――」
と、壁の内側にあったスイッチをおしますと、室内は、ぱっと明かるくなりました。
「ほう、あれは何だろう」
塩田大尉は、その部屋の真中に、横だおしになっている妙な機械のそばによりました。
「なんでしょうね」
一彦も、そばによって、その機械を
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