「そうだ、たしかにギンネコ号だ。救援の電信を受取って、現場へいそいでくれたんだな。なかなか義理《ぎり》がたい艇だ」
「ギンネコ号に聞けば、なにか有力な手がかりがえられるでしょう」
「無電連絡をとってくれ」
隊長が命令をだした。
はたしてギンネコ号は、どんなことを伝えてくれるであろうか。『宇宙の女王』号について、ギンネコ号はなにを知っているだろうか。また怪星ガンについてはどうであろう。
おそるべき魔の空間は近いのだ。いや、じつはもうほんの目と鼻との間にせまっているのだ。
テッド博士以下、誰がそのことについて気がついているだろうか。ミイラとりがミイラになるという諺《ことわざ》もある。
怪星ガンの魔力はいよいよ救援隊のうえにのしかかろうとしているのだ。
宇宙|採取艇《さいしゅてい》
いよいよギンネコ号との距離がちぢまった。
救援隊長テッド博士は、九台の艇にたいし、全艇照明を命じた。
この号令が各艇にとどくと、九台の救援艇の全身は光りにかがやいて明かるく巨体をあらわした。つまり艇の外側が、つよい照明によって光りをうけて輝きだしたのである。
九台の救援艇の編隊群は
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