ゆずってもらいたいものもあるのでねえ。とにかく会ってから話そう」
「じつは、こちらから隊員のロナルド君とスミスとが出発して、そちらへ連絡にうかがったのですが、それがついたら、どうかいっしょになって、こっちへおでかけください。それなら、わたしも安心しますから」テッド隊長は、老博士の身の上を案じて、そういった。
「ありがとう。それならば、ふたりが到着するのを待っていましょう」
 そこで無電は、いったん切られた。その電話のおわるのを待ちかねていたように、僚艇《りょうてい》からの報告がどんどん隊長へとどけられた。『出航用意』が、もはや完全にととのったと知らせてきたものもある。また、すくなくともこれから五時間しないと、用意が完了しそうもないと、なげいてくる艇もあった。隊長は、そのような僚艇へは、用意完了の艇から応援隊をおくるように手配した。
 時刻はうつった。待ちうけているサミユル博士は、まだ姿をあらわさない。どうしたのであろうか。すると、三根夫が、テレビジョンの映写幕をさして叫んだ。
「あッ隊長。担架《たんか》が二つ、こっちへきますよ」
「なに。担架が二つとは……」見ると担架が二つ、ゆらゆらと
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