。おなじ階に、ひろびろとした牧場があった。また養魚場があった。どっちも三根夫をたいへんおどろかせた。というのは、牧場には、牛や豚の姿はなく、三根夫がはじめて見るふしぎな獣が飼われていたからだ。また、養魚場で見た魚も、地球上であまり見かけない種類のものであって、なんだか気持がへんになった。
 そういうことについていちいち記していくと、きりがないので、あとはとくに重要なものについてだけ、のべておこう。もう一階下へハイロが三根夫をつれこむとき、
「三根夫さん。これからは気をつけてくださいよ。この国の心臓にあたる重要な、そして秘密な場所ですからね。それは兵器工場なんです」と、耳うちした。兵器工場があるというのだ。
 やっぱりそうであったか。怪星ガンも、兵器を作って、持っているのか。どんな兵器を作っているのかと、三根夫は好奇心を強くした。ハイロに案内されて、そこへ下りていってみると、その工場の大仕掛けなのにおどろいて、思わず「あッ、これは……」と叫んで、あわてて口をとじた三根夫だった。どうしてこんな大工場があるのかと、あきれるばかりだ。そこに働いているガン人の数も、おどろくほど数が多い。それにく
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