ッド博士から秘密の指令をうけて、非常にむずかしい行動にうつることとなった。もちろんそれには、帆村荘六がついていて、できるだけ手落ちのない計画をたて、準備をしたのであったが。
三根夫の冒険である。その冒険に、隊員たちの全部の運命がかかっていた。
その三根夫は、ある日、なにくわぬ顔で、サミユル博士邸をおとずれて、れいのハイロに会いにきた。三根夫は、紙でつつんで、赤いリボンをかけた四角な箱を抱えていた。その箱の中にはなにがはいっているのであろうか。三根夫はいまや冒険の第一歩を踏みだしたのである。
三根夫の変装
この日ハイロは、三根夫少年をつれて、この怪星の中の名所を案内するやくそくになっていた。ハイロは、三根夫のおかげで、ずいぶん富をふやした。そして三根夫とも仲よしになって、三根夫がたのむことについては、できるだけ便宜《べんぎ》をあたえているのだった。
「ぼく、この国の名所を見物したいなあ。まだすこしも見ていないんだもの、ハイロ君、ぼくを見物につれていってくれない」三根夫がそういいだしたとき、ハイロは困った顔をして、
「それはできないことですよ。この国の人でないと、この国
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