に、ほおえみを見せて、テッド博士にきく。
「わたしたちは、先生のご一行を救援するためにこっちへやってきたのです。不幸にして、このとおり怪星ガンの捕虜となってしまい、われらの目的ももう達せられないかとなげいていましたのに、とつぜんここで先生にお目にかかるなんて、ふしぎというか何というか、びっくりいたしました」
 テッド博士の話を老探検家はうなずきながら聞きとった。そして強く博士の手をにぎりかえした。
「ありがとう。よく捜しにきてくれた。これまでに苦労をたくさんかさねたことだろう。くわしい話を聞きたいが、わしの家まできてくれないか」
「はい。どこへでもおともをします。あ、それからご紹介します。これが隊員のポオ助教授。それからケネデー軍曹。帆村探偵、三根夫君です。どうぞよろしく」
「おお、みなさん、よくはるばるきてくだすって、ありがとう。隊員もどんなによろこぶことでしょう」サミユル博士のことばに、三根夫は、
「先生。すると、『宇宙の女王《クィーン》』号にはいっていた隊員は、みんな無事なんですか」
 と、きけば、博士はちょっと表情をかたくし、
「まあ、いまのところ無事です。もっとも、一時は隊員
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