うすることは、同時に、旧師に対する門下生のつとめでもあるのですから。しかし、千二君は、なるべく早く出していただきたい」
すると、大江山課長は言った。
「これから千二君は、大事に扱うことにします。今すぐに出すわけにはいきません。が、これは別にわけがあるのです」
「別のわけとは、どんなことですか」
新田先生は、大江山課長の顔を見た。
「それは、例の怪人丸木が、まだつかまらないからです。千二君を外へ出したは、とたんに怪人丸木が現れて、千二君を、殺したはというのでは、かわいそうですからね」
「怪人丸木は、千二君を殺しましょうか」
「それは、新田さん、私たちが犯罪についての経験の上から言って、たしかに起りそうなことなんですよ。丸木については、千二君が一番よく知っているのですからね。千二君が、この警視庁から外へ出たことを、怪人丸木が知ると、必ず、少年を殺そうと思うに違いありません」
「なるほど。そういえば、そういうことになりそうですね。ああかわいそうに……」
新田先生は、気の毒な千二の身の上を思って、胸の中があつくなった。
「でも、課長さん」
と、新田先生は、しばらくして言った。
「あの怪
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