とを何と言って話をすれば一等心配をかけないですむかしらんと、いろいろと考えてみた。
だが、それは、なかなかむずかしいことであった。親一人子一人の仲で、父親は千二のことを目に入れても痛くないほど、かわいがっているのである。その千二が、警視庁の留置場にいることを知ったら、父親はどんなに悲しむか知れない。
新田先生の足は、だんだん重くなった。
ふと気がついて見ると、このさびしい田舎道を、湖の方に向かって、大勢の人々が行きつかえりつしているのであった。
「はて、ばかににぎやかだなあ。お祭でもあるのかしらん」
そう思いながら歩いていると、行きかう二人の話が、ふと先生の耳にはいった。
「どうも、えらいこったね。まだ千二のことを知らんのか」
「知るもんか。千蔵はあのとおりの体だ。そこへ倅の千二のことを聞かせちゃ、かわいそうだよ。悪くすりゃあ、それを聞いたとたんに、ううんといっちまうかもしれないよ」
「そうかもしれないね。あの怪我で、血をたくさん失って、からだがひどく弱っとるちゅうことだ。言わないのがええじゃろう」
新田先生は、胸をつかれたように、はっと思った。
行く人々の話によると、千二
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