警視庁の役人は、善良な市民諸君のため、悪い者をおさえるのが役目なんです。悪い者に対しては容赦しませんから、こわい顔をしますが、善良な市民諸君に対しては、親類のように思って接しています。実際の役柄から言って、そうなんですからね。子供たちには、それがよくわかると見え、おまわりさんと言って慕《した》ってくれます。大人《おとな》の人には、まだよくわかってもらえないようで、残念ですがね」
 と言い、光のある自分の頭をつるりとなでた。
「大江山さん、私の元の教え子の千二少年のことでうかがったのですが、千二少年は殺人共犯者となっていますが、彼はそんなことをするような生徒ではありません。どうか、放してやっていただきたいものです」
 新田先生は、そう言って、頭を下げた。
「さあ、そのことですよ、新田先生」
 と、課長は、にわかに別人のように、きつい顔になって、
「私も、千二君が、そのような悪人でないことは、大体認めている。しかし、どうも今困ったことがある!」


   8 先生と教え子


 新田先生が大江山課長から聞いたところによると、怪人丸木の行方は、さらに、わからないそうである。
「これは困ったこ
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