しくなって、ひとりでに顔が赤くなった。
 矢の方向へずんずん歩いていくと、一つの大きな岩山にぶつかった。しかし入口はまだ見えない。千二は、もっと向こうかも知れないと思って、その岩山をよじのぼったが、
「おや、もうこの先は海だ」
 と叫んで、がっかりした。
 海へ出ては、いきすぎだ。
 千二少年は、岩山をまた下りて後もどりした。その途中、岩山のどこかに割目でもありはしまいかと念入にさがしたのであるが、割目などは一向に目にはいらない。そうして、そのうちにとうとうもとの砂原におりてしまった。
「これはおかしい。どうしても、この大きな岩山の、どこかに入口がなければならないのだが……。はて、困ったなあ」
 千二は、しばらく岩山をじっと見上げていたが、そのうちに思い出したことがあった。
「ああ、そうだ。博士から聞いたところでは、このカリン岬の下の洞窟内には五つの扉があって、それを開くには呪文を言えばいいのだ。そうだ、あの呪文をどなって歩いたら、どこかの地の底で、扉があく音が聞えるかもしれない」
 千二は、呪文をとなえるなんて昔話のようで、ばかばかしいことだと思ったが、ともかくそれをやってみることに
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