たをかくしてしまった。
こうして、千二は全く、ひとりぼっちになってしまった。
「困ったなあ。火星の上で、まよい子になるなんて、いやなことだなあ」
地球の上のまよい子ならどうにかなるが、勝手もわからなければ、まるで生まれがちがう火星人国で、まよい子になってしまっては大困りだ。
「先生はどこへいったのかしら。それから博士も見えない」
千二は途方にくれてしまった。
これから、どうしようかと考えているところへ、ぱたぱたと足音のようなものを耳にした。
「だれ?」
千二がうしろをふりかえるのと、火星人の触手のようなものが、彼の腕にくるくるとまきつくのと同時であった。
「あっ」
千二は、おどろきのあまり立ちすくんだ。
彼をつかまえたのは、ほかのだれでもない。それは、むぎわら帽子をかぶった丸木だった。
「おい、千二。おれだよ。おれは丸木だ」
「ああ、丸木さんですか」
「久しぶりじゃないか。さっき、お前を見かけたから、ぜひあいたいと思っていた。どうだ、おれと一しょに来ないか。おれはお前のために、この火星国をすっかり案内するよ」
「ええ、案内もしてもらいたいけれど、蟻田博士や新田先生が僕を待
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