にして、岩山づたいに、にげ出した。
 岩山のかげからとびだした火星兵のむれは、ぴょんぴょんとカンガルーのように軽く、そうして早くとんでいく。
「おい、お前たち、逃げるのはいいが、さっきわしが言った通り、丸木に伝えるのだぞ。丸木が来なければ、こっちから丸木のところへ出かけるからそう思え」
 博士は、盛に火星兵をおどしつけた。火星兵は、いよいよ驚いて、それこそ雲を霞と逃げていく。
「あははは、逃げちまった。火星兵って、いくじがないんだなあ」
 と、千二少年は、嬉しそうに笑った。
 そばにいた新田先生は、博士に向かい、
「博士。われわれは見つけられたのです。今にここへ火星兵団の大軍が、押しよせて来るでしょう。ですから、またガス砲をうつ用意をしては、いかがでしょうか」
 と言えば、博士は首を左右にふり、
「それはそうだが、火星国へ来たら、なるべく彼等を殺さないのがいい。なるべく彼等を降参させるのがいいのだ。ガス砲をうつと、火星兵は、みんな死んでしまう。それとともに、いい火星人まで死んでしまう。わしが大勝利をいのっているロロ公爵とルル公爵も、今は出かけて、彼等の中にまじっているかも知れないから、
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