「わからないかね。君たちの得意なものだろうと思うが……」
「僕たちの得意なものですって。ははあ、そういえば、思い出した。これ、ふき矢をいれる管みたいですね」
「そうだ。あたったよ。そのとおりだ」
「博士、ふき矢をいれる管を、どうするのですか」
「やっぱり、ふき矢をいれて、ふくのだよ。火星人にあてるためだ」
千二は、なあんだという顔で、
「ふき矢ぐらいで、火星人がまいるかしらん。だいいち、遠くから攻めて来た時に、こっちは、ふき矢をふいたのでは、届かないじゃありませんか」
すると博士は、軽く笑って、
「千二君は、大事なことを忘れているよ。火星の上でふき矢をふくと、ずいぶん遠くまでいくのだ。地球の上で機関銃を撃った時よりも、もっと遠くまでいくのだ」
「そんなことはないでしょう。人間のいきは、そんなに強くありませんからね」
「わからん子供じゃなあ。千二、火星の上では重力が小さいのじゃ。ぷっと上にふけば、かなり長らく落ちてこないのだ。だから、ふき矢だとて、ばかにならない。遠くへ飛ぶのだ」
言われて、千二はやっと気がついた。先生からも聞いたが、火星の上では重力が小さいから、上へ放りあげたも
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