の命をすくう法はないものであろうか。
 二十億年の年月を経た地球が、宇宙のぶらつき者のモロー彗星にうちあたられ、目にもとまらぬ速さで、一団の炎となり果てるとは、まことに夢のような話である。
「おお、お前たち、そこで、何をしているのか」
 とつぜん、うしろに蟻田博士のこえがした。千二は、博士がうらやましかった。地球が、やがてこわれるというのに、涙一滴こぼすどころか、平気なのである。
「なあんだ、二人ともめそめそして……」
 博士は叱りつけるように言った。
 博士に叱られて、新田先生と千二とは、涙をふいた。
「なあんだ、お前たちのその顔は……」
「博士、あなたは、地球に家族もなければ、なんの心のこりもないのでしょう。だから、地球の最期が来ても、涙一滴出さずにいられるのです。私や千二君などは……」
「おい新田、待て。そういうとわしは、なんだか鬼みたいな人間に聞えるではないか。わしにも家族はある」
「え、博士に家族がおありですか。それは失礼ですが、ほんとうですか」
「全く失礼なことをいう奴じゃ。家族のない人間は、未完成というか、感心出来ないよ。わしには家族があって、ちゃんと地球の上に住んでいる
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