地球の歴史を書きのこしておかねばならないのだ。三人が死んでしまえば、地球のことは、全くだれも知った者がいなくなるのである。ことごとく地球の歴史を書くなんて、そんなことは、とても三人の力で、出来そうもない。
 ああ、地球はついに、空中で火花が消え去るように、消えてしまうのであろうか。
 蟻田博士は、どういうものか、前からこの地球の崩壊ということについて、あまり気にかけていないが、新田先生はそうはいかなかった。先生は千二をうながすと、地球のよく見える下の部屋の窓のところへいった。
「おお、見える。あれが、地球だ。もうお月さまよりも小さくなった。ああ、こっちに、斜に金の箒《ほうき》をたおしたように見えるのが、にくいモロー彗星だ」
 千二も、まっくらな空に、気味わるくにらみあっている二つの星をながめて、ぞうっとした。
「あと、二十四時間で、ふたたび、あの美しい地球が見られなくなるのか」
 窓のところに、千二少年の手をひいて立つ新田先生は、そぞろに悲しかった。今まで忘れたり、がまんをしていたのが、ここで、急に先生の胸の中に、悲しいものをなげちらしたのだ。
 千二も、さっきから、さびしい思いにとざ
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