って、下を向いた。少年は、きっと父親のことを思い出したのであろう。
「博士」
と、新田先生は、博士の腕をつかんで、
「すると、あと二十四時間後には、生きのこった地球の人間は、わたしたち三人だけということになってしまうのでしょうか」
と、しんけんな顔で言った。
「そうだ。われわれ三人は、地球の最後の生きのこり者となるかも知れないのだ」
蟻田博士は、新田先生の問いに答えて、そう言った。
「はーあっ、そうですか」
「ふうん」
千二少年は、先生と顔を見合わせて、大きなためいきをついた。
あれほど多い地球の上の人間が、蟻田博士と新田先生と千二少年との、たった三人になってしまうとは、何というさびしいことであろうか。いや、さびしいなどということは、後まわしとすると、実に驚くべき大事件である。地球が生まれて二十億年になる。そうして人間の祖先があらわれて八十万年になる。このかがやかしい歴史をもつ地球がくだけて、たった三人の人間しか生きのこらないとすれば、一体、何と言っていいかわからないが、のこる三人の上に、たいへんな重荷を背負うことになる。そうではないか。生きているうちに、この三人は二十億年の
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