ているテレビジョンを見て、言うのであった。
博士は手をのばして、配電盤上のスイッチを、ぴちんと入れた。
すると、天井につってある高声器から、いきなり異様な声がとび出した。
「おい、蟻田。やっと、受信をはじめたか。あいかわらず、あたまのわるい奴だ」
どくづいているその声は、丸木の声であった。
博士も、負けてはいない。
「おい、丸木。われわれ地球人類が、いかにつよいかということを、もう十分、さとったであろう。このへんで降参したがいい」
「なにを、蟻田め、それは、こっちで言うことだ。モロー彗星に衝突されれば、地球人類は、みな死んでしまうのだぞ。それを助けてやろうとしているのに、恩を仇でかえすなんてことがあるか。この上は、ゆるせない。その血祭に、まず、貴様ののっているそのロケットを、うちおとして、息の根をとめてやるぞ」
「丸木。こっちは、平気じゃよ。それに反して、わがガス弾が、一発『ドーン』と、お前ののりものにあたれば、たちまち煙となって、おしまいになるぞ。つまり、空中葬になってしまうのだ。このへんで、降参したがいい」
「ばかを言え。おれは、もう、貴様のような人間は、相手にしないことに
前へ
次へ
全636ページ中522ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング