艇の半分ぐらいを失った。そうして、これはかなわんと、ようやく浮足立った。
「おお、火星兵団は、にげ腰になったぞ。そこをねらって撃ちはらえ」
 博士は、いよいよ元気に、新田先生に撃方《うちかた》の号令を下す。そうして、大空艇は、横転・逆転と、あらゆる秘術をつくして、敵の宇宙艇をおいかければ、必ずその宇宙艇は、黄いろい煙をあげて撃墜される。すさまじい大空艇の奮戦のありさまは、まるで鬼神のようであった。
「おい千二、丸木艇は見えないか」
 博士の声だ。
「丸木艇ですか。丸木艇は、まだどこにいるか、見えませんよ」
 と言っている時、千二の目に赤い旗が、ちらりとうつった。
 見ると、やっぱりそれは丸木艇であった。逃げる宇宙艇のため、うしろにいた丸木艇は、だんだんあとにとりのこされ、前の方に現れて来たのであった。
「いました、博士。丸木艇が、ちょうど正面にいます」
「なに、正面に……。ああ、あれか。わしにも見えたぞ」
「丸木艇は、うろうろしていますねえ」
「うん、そのとおりだ。よろしい、これから丸木艇と一騎打をやるぞ。新田も千二も、この際がんばってくれ」
「わかりました」
「やります」
「では、突
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