ちていく敵艇の最後を、たしかめているひまはなかった。また次なる敵艇が、もうすぐまぢかにせまっていたのである。
「きさまも、煙になれ!」
 先生は、ねらいをさだめて撃つ。
 見事に命中だ!
 それからは、先生は、もう無我夢中で、引金をひきつづけた。今は全く火星の宇宙艇群の中にとびこんでしまったのだから。
 千二は、おどろいた。蟻田艇から、どっちを見ても敵艇ばかりである。すっかり敵艇にとりかこまれてしまったのである。
「これで、よくまあ空中衝突をしないものだなあ」
 千二は、蟻田博士の操縦のうまいのにおどろいた。
 しかし、これは博士の操縦のうまいだけではなく、大空艇には、引力を利用した衝突をさける装置がつけてあったのだ。
 これはつまり、自分のそばへ他のものが近づいて来ると、ごくわずかであるが、二つのものの間に引力がはたらいて来る、すると、装置はその引力の方向を感じ、自動的に舵を安全な方角に向けなおすのであった。
 この衝突自動防止装置のおかげで、大空艇が、どんなに相手に近づいても、けっして、衝突はおこらない仕掛になっていた。だから、この装置のおかげで、大空艇は、どんなことがあっても、衝
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