その時、気がついて、笑い出した。
「あ、わかった。冷却管の上に、千二君が寝ていたんだ。だから、からだの重味で、冷却管がぺちゃんこになって水が通らなかったんだ。なあんだ、そんなことだったか」
58[#「58」は縦中横] 遮蔽網《しゃへいもう》
冷却管は、いつのまにか、うまくなおっていた。博士は、それで、やっとあんしんした。今や大空艇は、音たかく甲州の空をめがけてとんでいく。
「博士、冷却管の故障を見つけにいったところ、そこに、この少年がいたのです」
「なんじゃ、その少年がいたというのか。どこかで、見かけたような子供じゃが、だれだったかな」
「千二少年ですよ」
「千二少年? そうか、そうか。おもいだしたよ。天狗岩で、火星のボートを見つけたのは、この少年だったな」
「そうです」
「それから、火星人を見たのも、わしをのけると、この千二少年がはじめてじゃ。しかし、なぜ、となりにいたのかね」
そこで先生は、千二にかわって、千二の身の上を話した。
千二が、丸木につかまり、それから電気帽をかぶせられて、情心《なさけごころ》の先生をしているうち、電気帽のねじがゆるんで、下に落ちたため
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