火星まで乗って帰る宇宙艇が、全滅してしまいます」
参謀の声は恐しさにふるえていた。
「うーん、こいつはよわった。敵のやつ、蒸発ガスを砲弾にこめて砲撃して来たんだな。こっちにゆだんがあった。おい、逃出すことよりは、敵の砲兵陣地を探しあてることだ。早くいって、この砲弾を撃出している陣地を探して来い」
「敵の砲兵陣地ですか。へーい」
一度言出したら引かない丸木だった。それを心得ているから、参謀の一人は駈出していった。観測台のある宇宙艇のところへいって、人間隊の砲兵陣地を探させるためだった。
「参謀、よくわかりません。山のかげになっていて、陣地など見えはしません」
「そうか、山のかげになっとるか。それは困ったなあ。なんとかして知る方法はないか」
「さあ、困りましたな」
火星兵団は、めずらしく負け色である。
観測台のある宇宙艇の下で、参謀と観測兵とが押問答をしている時、ばたばたと音がして、また二名の火星人がかけつけて来た。
「おい、兵団長が返事を待っておられるではないか。どうしたんだ。人間隊の砲兵陣地がある場所は?」
「おい、早くしろということだ。ぐずぐずしているから、また宇宙艇が三隻ば
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