ん。何だか火星兵の様子がおかしいですぞ」
「おお、大江山さん。にわかに静かになりましたね。博士、これはどういうわけでしょうか」
「さあ、わしにもよくわからん。だが、とにかく今度は、人間部隊の勝ったことには間違なしだ。ひとつ、ここらで威勢よくときの声をあげろ」
「いいでしょう。おい、突撃隊! 大勝利を祝って、大声で、ばんざい三唱だ。それ、ばんざあい」
 ばんざい、ばんざあいと、突撃隊の一同は声をそろえて、ばんざいをさけんだ。
 そのうちに、もうもうとたちこめていた十号ガスのかたまりが、風に吹かれて、だんだん谷あいの方へすべっていった。そうして、そのあとから、大合戦のあとの血なまぐさい戦場が、あらわれ出たのである。
 ああ、何という奇妙な光景であろう。
 褐色がかった火星兵の、あかはだかの死体が、あたり一面に、ごろごろころがっている。味方にも多少傷ついた者はあったが、火星兵のため、殺された者はいない。
「おお、あれを見よ。火星兵はみんな宇宙艇の中に逃げこんだのだ!」
 博士がさけんだ。
 なるほど、火星兵は、もうすっかり宇宙艇の中に逃げこんでしまって、窓からのぞいている。もはや地上には一人
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