た。ふりかえって見ると、今這いこんで来た鉄管の出口が、すっかりふさがれていた。全く妙な部屋であった。先生は博士の心をはかりかねた。
「うむ、これで安心だ。もう、大きな声を出してもいいよ」
 博士の声は、いつもとは違って、たいへんやわらかに響いた。
「博士、私をこんなところへ連れて来られて、何をなさろうというのですか」
 さっそく、先生はたずねた。
「おお新田。これからわしは、お前に、はじめて本心をうちあけるよ」
「えっ、本心?」
 先生は驚いて博士の顔を見つめた。
 本心を打明ける!――と、博士は言ったのである。
「どういうのが、博士の本心ですか」
 と、新田先生は、せきこむようにして問いかえさずにはおられなかった。そう言えば、さっきから博士の態度が、いつもとは、たいへん変っている。何か重大なわけがあるのだ。
「のう、新田」
 と、博士は両手をきちんと膝の上において語り出した。
「わしは、いよいよこれから火星兵団とたたかいをはじめるよ。いや、お前の驚くのももっともだ。わしは、いつも地球の人間のことを悪く言って、むしろ火星人の味方のようにさえ見えた。これにはわけがあるのだ」
 と、博士は
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