かね」
「そうであります。アメリカ一流の飛行士ピート大尉が乗りこんでいるのです。そのロケットは、火星に向けてとんでいるものと思われますが、すでにもう成層圏を通り越して、ぐんぐんとまっくらな宇宙に光の尾を引いて走っていきます」
「そうか。では、こっちからも見えるじゃろう。よろしい」
丸木は電話を切ると、火星の宇宙艇の中にはいって、ラジオの箱のようなものの前に腰をかけた。
その機械には、たくさんの目盛盤《めもりばん》がついていたが、丸木はそれを器用な手つきでまわした。そのうちに、ぱっと緑色の電灯が光り出したと思うと、とたんにそのラジオの箱のようなものの真中に、映画のようなものがうつり出した。その中には一台のロケットの姿があった。丸木は言った。
「ふふん、こんなロケットなら一ひねりで片附くわ」
怪人丸木は、箱の中に映っているロケットを睨んでいる。そのロケットは、アメリカのピート大尉の乗っているものであった。
「おい、宇宙艇司令所!」
と、丸木は電話を、別のところへかけた。
「はい、宇宙艇司令所です」
返事があった。
「すぐ一隻を、宇宙へ飛ばすのだ。そうして、ピート大尉のロケットを追
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