のなぞの言葉にぶっつかった。
(火星人は動物でない――と言う。では、いったい何であろうか)
動物でない――と言うと、植物か鉱物か二つのうちの一つであろう。しかしそれはあまりに変なことだ。
なぜと言って、人間は動物であり、犬や猫も動物である。動物は、文字で書いても、動くものと書く。だから動物は、動けるのである。植物や鉱物は動けない。
そうなると、佐々刑事の宇宙電話も、とりとめのないことをしゃべったとしか考えられない。動物でなければ動くことが出来ないのだから……。
だが、待てよ。
ここに一つ考えのこしたことがある。鉱物が全く動かないことはわかっているが、植物の方は、全く動かないものばかりとも言えない。たとえば、蟻地獄と言われる草や、蠅取草《はえとりそう》のようなものは、自分で動いて、蟻とか蠅とかを捕えるという話である。アミーバという下等植物は、自分で体の形をかえて水中を泳ぐ。
またいつだか見た文化映画で、『植物の生長』というのがあったが、植物の蔓《つた》が、まるで蛸《たこ》の脚《あし》のようにぐらぐらと動きまわって、どこかにまきつく棒とか縄とかないかと、しきりにさがしもとめてい
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