りでそれをひっぱり出した。それは小さな胸あてのようなもので、真中には、送話機の口と同じに、小さいラッパのようなものがついており、またその胸あての両側からは、お医者さんが使う聴診器のような管が二本、かなり長くついているのであった。例の小さい声は、確かにこの機械の中からしているのであった。
(これは、不思議だ)
先生は、その聴診器のゴム管みたいなものを、耳の中に入れてみた。しかし、何の音もしなかった。さっきまで、聞えていた例の小さい人間の声もしなくなったのである。
(変だぞ)
そこで先生は、ゴム管みたいなものを、耳の穴からはずした。すると、また前のように、どこからか、小さい人間の声が聞えて来るのであった。先生は、あせりながら、その機械を、ひねくり廻しているうちに、やっと、声の出るところがわかった。それは、胸あてのようなものの真中についているラッパから聞えて来ることがわかった。
(あっ、ここから聞えるのだ!)
先生は、耳にあてた。しばらく聞いているうちに、先生は重大なことを見つけた。それは、丸木の声と、この小さなラッパから出て来る声とが、いつも同じ時に大きくなったり、また、とまったりす
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