どのように、わしは、彼らの陣営に忍びこむなんてことは、出来なかったろうねえ。何が、幸いになるかわからない。はははは」
なるほど、佐々刑事の言う通りであった。しかし、彼は、なんという豪胆な刑事なんであろうかと、先生は、改めて感心した。
33[#「33」は縦中横] 大襲来
新田先生は、佐々刑事から火星人のことについて、もっとたくさん聞きたかったが、その時、佐々は何かの音におどろき、
「じゃあ、また後で、もう一度来る!」
と言捨てたまま、新田先生をそこにおいて出て行ってしまった。
穴の中は、またもとの闇にかわった。そうして、また心細いこととなった。
それから、かなり長い時間が過ぎた。
新田先生は、穴の中で空腹を感じながらも、今に何ごとかが、起るだろうと待構えていた。
その時刻のことは、はっきりしなかったが、とにかく、かなり夜更《よふけ》になって、新田先生は、ごうんごうんという遠雷のような響を耳にした。
「あっ、いよいよ来たなっ!」
と、先生は、穴の中に、居ずまいを直した。火星のボートが、いよいよこの山中目がけて、やって来たのであろう。
ごうんごうんという怪音は
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