気がした。
「では、そのへんで、わしたちの申出を、承知してくれますね」
「いやいや、丸木さん」
 と、先生はあわてて、丸木をさえぎり、
「その話は、いくら私に相談をかけられてもだめです。政府に話をして下さい」
 すると丸木は、ぶるぶると体をふるわせ、
「どうも君は話のわからない人間だ。もうよろしい。わしたちはこんなことで、ぐずぐずしておられないのだ。兵団長は、もうこれで十五へんも、話はきまったかと聞いて来られた。この上、ぐずぐずしていると、わが火星の大計画はくずれてしまって、とりかえしのつかんことになる。……」
 と、丸木は妙なことを口走って、しきりに足ぶみをした。
 新田先生は、丸木の言った言葉の中から「兵団長」だの「わが火星の大計画」だの「とりかえしがつかん」だのと言う謎のような言葉を、頭の中でおさらいをしてみて、不審顔であった。


   32[#「32」は縦中横] はいって来た者


 新田先生が、火星人の申出を、うんと言ってきかないので、丸木は、とうとうおこってしまった。
 丸木は、うしろをふりかえって、奇妙な声をあげて、両手を、頭のうえで振った。
 それが、合図であったらし
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