におしつけようとするのは、山梨県一帯の山中を、火星人にゆずりわたせということだった。
「そんなことを言っても、私には、きめる力がないのだ。それは、政府へ申し込んで下さい。私は、そんなことには何の力もない、一人の教師なんだから……」
「ふふふふ、こまった人間だ」
と、丸木は、うす笑いをしながら、
「わしの目から見れば、先生であろうが、政府の役人であろうが、どっちも地球の人間と見ることにかわりはない。わしは、これ以上くどくど言うことはやめます。要するに、わしたちの相手は、人間でありさえすれば、誰でもいいのだ。人間どうしの相談なら、先生だとか、役人だとか、そんなうるさい資格が必要かもしれないが、火星人対地球人の相談には、人間が勝手にきめた地位や資格のことを考える必要はないのだ」
と、丸木は少しむずかしいことを言ったのち、
「ねえ、先生。ぐずぐずしていると、あなたがたの足の下にふみつけている地球が、煙のようになって、ふきとんでしまうのですよ。わしたちは火星人だから、そんなことになっても、一向こまりはしない。こまるのは、あなたがた地球の人間たちばかりだ。そうでしょうが」
先生は、だまってい
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