佐々刑事はいるかね」
 机の上で電話をかけていた掛長が、
「いや、ここにはおりません」
「どこへ行ったのか、君は知らんか」
「はい、佐々君は、やはり麻布の崖の下で、警戒と捜索にあたっているはずであります」
 課長は、なるほどとうなずき、
「そうか。電話をかけて、すぐ彼に帰って来いと、言ってくれ」
「はい、かしこまりました」
 課長が、また室内に引きこもうとすると、当番の刑事巡査が飛んで行って声をかけた。
「課長。あの面会人ですが、いつまでおれを待たせると言って怒っていますが……」
「ああ、面会人だ。どこの誰かね、その気の短い面会人は?」
「蟻田《ありた》――だと、申していました」


   24[#「24」は縦中横] 博士怒る


 モロー彗星が、わが地球に衝突する――という国際放送を受けて、にわかに、色めき立ったわが警視庁!
 その騒ぎの中に、大江山課長をたずねて来た蟻田博士が、あまり待たされるので、とうとうおこり出したという知らせであった。
「おお、蟻田博士だったのか、その面会人は……」
 と、課長も大へん驚いたが、
「そうだ、ちょうどいい。博士に、すぐ会おう。今、すぐお目にかかる
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