曲った階段をのぼって行った。
「おや」
 先に立って階段をのぼって行く千二が、とつぜん叫んだことである。
「どうした、千二君」
「先生、どうも、へんですよ」
「何が、へんかね」
「だって、階段をのぼりきったところは、天井で、ふさがっているんです」
「天井で、ふさがっているって。それはどういう意味かね。この階段の上には、さっき僕たちがはいった床の割目があるはずだ」
「それが、ないのですよ」
「なにっ」
 先生は、驚いて、懐中電灯を上に向けた。なるほど、これはへんだ。階段の口は、いつの間にかしまっていた。


   23[#「23」は縦中横] 国際放送


 日本時間で言えば、その日の真夜中のことであるが、ロンドンとベルリンとから、同時に、驚くべき放送がなされた。
 ロンドンでは、時の王立天文学会長リーズ卿がマイクの前に立ち、また一方、ベルリンでは、国防省天文気象局長のフンク博士がマイクの前に立った。
 この二人の天文学の権威ある学者は、一体何をしゃべったのであろうか。不思議なことに、二人の話の内容は、はんこで捺《お》したように同じであった。違っていたのは、
「わが英国民諸君、および全世界
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