と千二とは、やっと並んで歩けるほどの、狭いその廊下をしのび足で、奥へ前進して行った。
「這って行こう」
先生の注意で、千二も、しめっぽい土の廊下に腹ばった。
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
ひゅん、ひゅん、ひゅん。
奇妙な笛みたいな音は、だんだん大きくなって来た。
千二は、その音を聞いているうちに、いつか、どこかで、そのような音を聞いたことがあるような気がして来た。
(はてな! 一度聞いたことがあるようなあの音? どこだったかなあ)
新田先生は、ぐんぐん前進して、ついに腹ばいのまま、穴のふちのところまですすみ寄った。さすがに、これから先は、先生もよほどの覚悟をもってのぞまなければならない。先生は、その覚悟をつけるためか、二、三度大きい息をした後、思い切って、穴の方へそっと頭をさしのべた。今こそ、穴の中の光景が、見えるところへ来たのである。
さあ、先生は、穴の中に一体何を見たであろうか。
(ああ――)
先生は、石像のように、固くなった。大きなおどろきが、先生をそうしてしまったのである。
見よ! 穴の中には檻が見えた。
その檻の中には、何やら暗いなかにうごめくものがあった。
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