うかばせ、なるべく千二君に恐しさをあたえないようにつとめていた。
「さあ、千二君。そこにいては、あぶないかもしれない。君は入口の扉のところへいって、なるべく体を、ぴったりと扉につけておいで」
「先生は?」
「先生は、もう一度時計を鳴らして見る」
「また、時計を鳴らすのですか」
「そうだ。だまって、見ておいで。しかし、あるいは、千二君の思いがけないようなことが起るかもしれない。が、どんなことがあっても、おどろいてはいけないよ」
「先生、僕のことなら、大丈夫ですよ」
千二は、そう答えて、先生から言われたとおり、入口の扉のそばへ、場所をうつした。
その間に、もう先生は、柱時計のそばにかけた梯子《はしご》を上っていた。
先生は、
(千二君、始めるが、覚悟はいいかね)
といった風に、千二の方を、ふりかえったが、千二が、言いつけたとおり、ちゃんと扉のところで小さくなっているのを見ると、安心の色をうかべて、時計の方へ向きなおった。それから、新田先生は、右の柱時計の針を、指さきでまわして、また、ぼうん、ぼうんと鳴らしていった。一時、二時、三時!
「さあ、こっちの時計は、これでよし。今度は、も
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