ださい。僕は、おひる前、もう帰ってよろしいというので、久しぶりで自由の身になれたんです」
「それはよかった。が、ほんとかね。じゃあ、なぜこんな床下にもぐりこんでいたんだい。許されて出たものなら、堂々と町を歩いていてもいいはずではないか。どうも、おかしいじゃないか」
新田先生は、千二が、こんな床下にもぐりこんでいたのは、やはり心の中に、うすぐらいところがあるのではないかと、心配しているのだった。
「僕、うそなんかつきませんよ。じつは、僕、日比谷公園のそばで、丸木のため、むりやりに自動車に乗せられて、こっちへ連れて来られたんです」
「なに、丸木が?」
と、新田先生は、驚いて言った。
そこで千二は、日比谷公園のそばで、怪人丸木のため、むりやりに自動車にのせられたことや、丸木の自動車が交通違反をしたため、オートバイの警官に追いかけられ、とうとうこんな方角へ来てしまったことなどを話した。
「……すると、先生。僕は、おどろいてしまったんです。とつぜん自動車の行手に、『危険! この先に崖がある』という注意の札が見えたんです」
「ほう、ほう」
「危険の札が、立っているのに、丸木はそのまま、そこを
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