ものすがかかっているのを見て、そう言った。
するといよいよわからない。博士は、たびたびこの部屋に出入しているのだ。きょうもたしか、この部屋にはいったことがあった。
博士は、この時計が示している時刻を見るために、この部屋へ出入するのではあるまいかと思ったが、時計は振子がずっととまっているのであるから、見ても何にもならないはずであった。すると、ますますわからなくなる。この部屋の秘密は、一体どこにあるのであろうか。新田先生は、途方にくれてしまった。
「どうも、わからない!」
新田先生は、蟻田博士の秘密にしている空室のまんなかにしゃがんだまま、とけないこの部屋の謎を、じっと考えこんだ。
だが、先生は気が気ではない。警視庁へ出かけた博士が、いつ、ここへかえって来るか、知れないのだ。
見つかれば、たいへんなことになる。博士にことわりなしに鍵を持出し、この秘密室にはいっているのだから、見つかれば、博士はどんなに怒り出すか知れない。その結果、せっかく新田先生が、博士の力を利用して、モロー彗星衝突によるわが地球人類の全滅を、何とかして食いとめたいと努力をしていることが、一切だめになる。
先生
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