ほおづえ》をついて考えこんでいる。
 課長からの電話だと思って、千二少年を出してやった掛りの責任者は、すっかりおそれ入ってしまって、これまた石像のように固くなって、突立っているばかり。
「だが、あの少年は、なかなかはしっこい子供だったから、うまく家へ逃げかえったんじゃないかしら。どうです、千葉へ電話をかけてみては」
 と、佐々刑事ひとりが、元気よくいろいろとしゃべる。
 課長は、相変らず、頬杖をついたまま、動こうともしない。
「どうです、課長。千葉へ電話をかけては……」
 佐々は、課長を元気づけたいと思っているようで、机の前から半身を乗出して、課長の顔をのぞきこんだ。
 大江山課長は、はっきりしない顔つきのままで、唇だけを動かした。
「それは、だめだ」
「課長、なぜだめです。この名案が……」
「名案?」課長は、じろりと上目で佐々の顔を見て、
「そんな名案があるものか。佐々《さっさ》、お前は、まだライスカレーの食い方が足りないらしいぞ」
「ははあ、ライスカレーですか。はははは」
 と、佐々は、とってつけたように笑い出した。佐々お得意のライスカレーのことを、課長が言ったので笑い出したわけで
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