葉出張の獲物について報告をするから」
「ははあ、獲物についての報告ですか。獲物とは、そいつはすばらしい話だ」
佐々は、大仰に驚いて、課内の幹部の机を一々走ってまわった。
まもなく、課長の机の前後左右は、部下の主だった警官によって、ぐるっと取りかこまれた。
課長は、そこで、いつになく深刻な顔つきで、一同をぐるっと見まわしたあとで、
「千葉へ出張して、掴んで来たことについて報告をする。結局獲物は、たった三つである」
と言って、課長は、机の上を指先で、ことんと叩いた。
「その第一。火柱《ひばしら》の発見者で、そのために大怪我をした友永千蔵という男は、怪我をした場所がよくないらしいが、目下気が変な状態にある。どうにも、手のつけようがない。だが、怪我の方は、重傷ではあるが、致命傷ではないそうで、このまま死ぬ心配はない」
課長はそこでちょっと口を切って、
「第二の収穫は、こういう拾い物だ」
と言って、鞄の中に手を入れて、やがて机の上に放り出したものをみれば、木の葉蛙の背中のような、色のまっ青な、長さ一メートルあまりの鞭のようなものであった。
課長を取りかこんでいた幹部警官たちは、俄《
前へ
次へ
全636ページ中110ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング