、われわれの攻撃をうけているのだ。王城へいく、ひまなんかはない。だから今われわれがペペ山を攻めたてれば、なんなくロロ公爵をやっつけてしまえるのだ。おいアグラス。うまくいったら、うんと褒美をやるから、お前は、早くその地底戦車隊に号令をかけて、ペペ山を、ばくはせよ」
 と、丸木は、ここぞとばかり、わめきたてるのであった。
 しかし司令官アグラスは、丸木のいいつけに従おうとはしなかった。
「丸木どの。それは、だめです。いまペペ山にいられるのは、ルル公爵の方です。ロロ公爵、いやロロ新王は、ずっと前に王城へ、はいっていられます。私はロロ新王に拝謁したあとで、こっちへやって来たのです。もう、おあきらめなさい。お身のためですぞ」
 司令官は丸木をなだめたが、丸木はいよいよ、叫ぶのであった。
「そんなばかな話はない。ロロであろうがルルであろうが、そんな子供くさい者に、この火星国をにぎられてたまるものか。火星国で一等えらい者が国王になればいいのだ。火星兵団をひきいて地球までいった英雄は、このおれだぞ。おれは、只今、火星王の位につくぞ。他に、国王をなのるものがあれば、それは、にせ国王だ」
「だめです、そんなことは、だめです」
「いや、おれは火星王だ。そうしてこの大宇宙をおさめるのだ。地球なんかこわれてしまえ。わしは金星を攻略し、木星を従え、水星も土星も、わが領土とするぞ。そうしておれは、更に他の太陽系の星をめがけて、突進するのだ」
 丸木は、いよいよ大きなことを言って、いばりちらした。
 丸木は気がへんになったようになって、いくらアグラスがすすめても、新王ロロにしたがうとは言わないのであった。
 アグラスも、もうこれまでだと思った。
「やむを得ん。射撃用意。目標、逆賊丸木……」
 アグラスの命令は、高声器によって、丸木の耳にも、つよくひびいた。
「なんだ、なんだ。おれを撃つというのか。撃てるものなら、撃ってみろ。どうして撃てるものか」
 丸木は、まだ、つよがりを言っている。
 その時、地底戦車隊長のアグラスは、ついにさけんだ。
「撃て!」
 隊長の命令一下、戦車砲は、天地もくずれるような大音をあげて、一せいに砲弾を撃出した。
 砲弾は、丸木が腕ぐみをして立っていた小高い岡に命中し、ぱぱぱぱっと、ものすごいいきおいで炸裂し、もうもうたる硝煙は、たちまちその岡をおおいかくしてしまった。
 
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