音であるか、それをたしかめにかかった。
ところが物音の正体がわかる前に、別のおどろきがやって来た。それは、千二のからだが、ぐっと横に動きだしたのであった。まるで大きい、じしんのようであった。
「あっ、岩が動きだした」
岩山のてっぺんが割れて来た。そうして大きな穴があく。階段が見えだした。
「しめた。とうとう呪文がきいて岩が割れたぞ。ここをおりていけば、洞窟へいけるにちがいない」
千二は、からだを起すと岩穴の中にとびこんだ。中は、思いの外広かった。そうして千二がとびこむと、岩はまた元のようにぴたりと閉じてしまった。そうして、地下から聞えていたごうごうという音が、ぴたりと、とまってしまった。
千二は、階段を下りていった。
すると、その下は第二の扉で行きどまりになった。
千二は、もうおどろかない。さっそく扉に向かって、また例の呪文をとなえた。
すると、また機械のまわるような音がして、第二の扉はすべるように岩の中へはいった。内部は、どこから光が来るのか昼のように明かるい。そうして机や椅子や機械が見える。そればかりではない。蟻田博士と新田先生が、こっちを向いて立っていたので、千二は夢かとばかり喜んだ。
「おう、千二君じゃないか。どこへ、いっていたんだ。しんぱいしていたよ」
新田先生が、かけだして来て、千二の手をぐっとにぎった。
「ああ、先生」
と言ったまま、千二は、そのあとを言うことが出来なかった。火星の上でまよい子になり、これからどうしようかと思いながら、きみのわるい洞窟へはいっていったところ、そこで思いがけなく、新田先生たちに、あえたのであった。こんなうれしいことはなかった。
博士も、奥から千二の方を見て、にこにことわらっていた。
千二は、手みじかに彼が丸木にさらわれたことや、その丸木が、いまペペ山を地底から、ばくはつさせるために、じまんの地底戦車隊へ出動命令を出したことなどを話したのであった。
それを聞いていた新田先生は、いみありげに、蟻田博士の方へ顔を向けた。
すると博士は、千二のそばへやって来て、その肩へ手をかけながら、
「千二君。お前は、その地底戦車隊が、いよいよペペ山の下を、ほりはじめたところを見たかね」
と聞いた。千二は首をふって、
「いや、僕は、そこまで見ていなかったのです。丸木が、近づく戦車隊の方に夢中になっているすきをうかがっ
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