丸木はそう言って、手をあげて、あいずをした。
「おい、みんなかかれ」
丸木のあいずで、彼のうしろに、ぎょろぎょろと目をひからせていた火星兵は、にわかに、うごきだした。
「なにをぐずぐずしている。早くかかれと言うのに……」
丸木は部下を、しかりつけた。
火星兵は、かねがねこの蟻田博士の手なみを知っているし、それに地球へいって、人間からひどい目にあっているところだから、少々しりごみをしていたところであった。しかし丸木に、しかりつけられては、もうしりごみをしておられない。
ひゅう、ひゅう、ひゆう、ひゅう。
ぷく、ぷく、ぷく、ぷく。
火星兵は、へんな声をあげて博士たちにせまって来た。
そこで博士は大声でしかりとばした。
「来るか。来るならいつでも、あいてになってやるぞ。おい、新田、千二、ふき矢をふけ」
新田先生と千二は、さっきから、ふき矢をもって、いつ命令がくだるかと待っていたところだから、すぐさま例の酸素かぶとの下にある口にあてて、ぴゅう、ぴゅう、ぴゅうと矢をふきだした。
そのとき、博士が言った。
「丸木は、わしがひき受けた。丸木にはあてないがいいぞ。ほかの火星兵はみんなやっつけてしまえ」
博士はなかなか元気であった。
蟻田隊と丸木隊とのたたかいははじまった。
火星兵は、どこにかくしもっていたか、先の太いこんぼうのようなものを、ほそながい手に、にぎって、蟻田博士たちをめがけて、おしよせて来た。
「おちついて、ふき矢を放て!」
博士は、新田先生と千二少年とを、はげまして言った。
先生と千二とはさっきから、ふき矢を、おしよせる火星兵のむれを目がけて、ふきつけているが、なれないこととて、なかなか思うように、ふき矢があたらない。
「しまった、また、はずれた」
「おい千二君。ふき矢のくだを、あまりかたくにぎっていると、いけないよ。そうして、こういうぐあいに、ふうっとふくといい」
やっぱり先生の方が上手であった。
「なるほど。そうやると、うまくいくんですねえ。僕たちがいつも作って、あそんでいたふき矢とは、やりかたが、ちがうんだな」
千二は先生におしえられ、そのとおりにやってみると、なるほど、ふき矢はぴゅんととんで、林のはしから顔をだしたばかりの火星兵のむなもとに、ぷすりとつきたった。
すると、火星兵はねずみが、ねずみおとしのわなにかかったように、ぴょ
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