博士、いま向こうのやみの中で、なんだか、きらきらと光るものが、よこにとびました。流星のようでもありますが、よこにとびました」
すると、博士はうなずき、
「そうか、どのへんかね」
「あのへんです」
と、先生が窓から外をゆびさした。
「よろしい。暗視テレビジョンで、のぞいて見れば、すぐわかる」
博士は機械室の暗視テレビジョンをかけた。すると、その映写幕の上に、まっくらな外のありさまが、まるでひるまのように、ありありと写った。
見よ、岩山のかげから、しきりにぎょろぎょろと目を光らせている怪物がある。それも一つや二つでなく、かなりかずが多い。光っているのは彼等の目であった。
カリン岬の岩山のかげから、こっちをのぞいている気味のわるいたくさんの目!
「ふん、やっぱり、丸木のやつ、わしたちを見つけたな」
と、博士は、暗視テレビジョンを、うごかしながら言った。
「ああ、やっぱり火星兵団でしたか」
と新田先生は、こぶしをにぎる。
「それでは、やっぱり、僕たちは戦争をしなければならないわけですね」
千二は、さっきから、しきりと、ふき矢をいじっている。早く、ぷうとふいてみたくて、たまらないらしい。
博士は、岩山のあいだから、目をぎょろつかせている火星兵団の様子を、くわしく見ていたが、
「うむ、一つ、丸木を呼出してやろう」
と言って、マイクを手にとると、配電盤のスイッチを切りかえた。こうすると、高声機が、外にあらわれるのであった。
「おい千二、この映写幕を見ておいで。わしが今しゃべると、この岩山のかげにいる連中が、どんなことを始めるか。おもしろいから見ておいで」
そう言って博士は、マイクに口をつけると、火星語でしゃべり出した。
「おれは蟻田だ。丸木にここへ来いと言え。いま十分のうちに来なかったら、おれは、丸木の体を水のように、とかしてしまうとそう言え」
博士の言葉は、火星兵のあたまの上に、大きな声となってふりかかった。
火星兵は、びっくりして、じぶんのあたまの上を見た。なんだか、丸木をつれて来いなどと、けしからんことをいう怪物が、じぶんのすぐ頭の上にいるような気がしたのである。しかし、そこには、くらやみがあるばかりで、生き物のすがたも見えなかったので、火星兵は、いよいよ気味わるがって、岩山のかげからとび出した。そうして、にげるわ、にげるわ、その奇怪な体をむき出し
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