、そうなる日が待ちどおしい」

「あははは、丸木艇は、やっと火星に着いたようじゃ」
 博士はテレビジョンの幕を指しながら笑った。
「さあ、丸木先生、これから何と言って火星王に報告することじゃろうか。さだめて、大きなほらを吹くことじゃろう」
「火星には、火星王というのが、いるのですか。丸木が、火星で一番いばっているのでは、ないのですか」
 千二は尋ねた。
「いや、別に火星王というのがいるのじゃ。その火星王は、たいへん悪い奴で、ロロ公爵とルル公爵の母にあたる前火星女王をほろぼし、位を奪ったのじゃ。丸木は、その軍部大臣の役をしているのじゃ」
「では、これからロロ公爵とルル公爵は火星へ帰ると、火星王のために捕えられはしませんか」
「もちろん、両公爵が帰って来たことを知ったら、捕えに来るのであろうなあ。だが、ロロ公爵もルル公爵も、今は、りっぱな大人になった。そうして、わしのところでいろいろと勉強もした。だから、火星王が攻めて来ても、そうかんたんに、やっつけられないよ。わしも今度は出来るだけのお力になり、ロロ公爵やルル公爵が、ふたたび火星をおさめるようにしてあげたいと思っているのじゃ」
「それはいいことですね。僕もそうなる日を祈っています」
 日本語がよくわかる二人の公爵は、それを聞いて大変喜んだ。
「まあ、見ていて下さい。僕たちはやりますよ。そうして火星を、りっぱな国にしたいと思っているのです。今までの火星は、文化こそ進んでいるが実に恐しい国です。悪いことをする者がえらいのだと考えている。早く言えば、丸木などは、どろぼうをするために、地球へ攻めていったようなものですからね」
 大空艇は、針路を左へ曲げた。
 火星の大地は、それとあべこべに右へまわっていく。
 しばらくすると、火星の端が、黒くふちをとったように、見えはじめた。それは火星の夜の部分であった。
 大空艇は、どんどん左へまわる。
 火星の表面から、明かるい部分が、どんどん小さくなる。そうして、やがて、全く暗くなった。
「このへんでいいだろう。消音装置を働かして下りていこう」
 蟻田博士は、目盛盤のつまみを動かした。すると、大空艇は、ほとんど垂直に下りはじめた。
「わざわざ暗いところへ、下りるのですか」
 と、千二が、博士に尋ねた。
「それはそうだ。明かるいところを下りていくと、丸木たちがうるさいからね」
「では、火星
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