いるだろう。そら、そこにいる火星先生にも一発……」
と、博士は楽しそうにピストルを音もなく撃ちまくる。そのうちに、火星兵の誰かが、これを知らせたものと見え、宇宙艇が林立する本隊の方から、火星兵部隊がどっと押しだして来た。
ちょうどその時、大江山捜査課長のひきいる突撃隊の先頭が、ついに山のいただきに顔を出した。さあ、大合戦だ!
火星兵と人間突撃隊との大合戦の幕は切って落された。
大江山隊長は、こんどこそこの山に屍《しかばね》をさらすつもりで、自ら突撃隊の先頭に立って、おどり上って来た。
「突撃隊、つっこめ! 恐れてはならん、おちついて、一発ずつ正確な射撃をしろ! 第一隊は正面、第二隊・第三隊は左へいって、横合から攻めろ。第四隊以下は、我らにかまわず、敵の本隊へ突入せよ!」
「うわあっ、うわあっ」
のどもはりさけよとばかり、突撃隊は、ときの声をあげて、火星兵の中におどりこんでいった。
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
ぷく、ぷく、ぷく。
火星兵部隊の方でも、何だかわからないが、しきりに怪しい声をあげ、人間突撃隊を踏みにじろうと、押出して来る。まるで人間タンクの大群が、どんどん前へ出て来たようである。
ごうん、ごうん。
突撃隊の持っているガスピストルやガス銃は、消音式になっていないから、さかんに大きな音を立てる。
ぱかっ、ぱかっ、ぱかぱかっ。
あちらでもこちらでも、火星兵の胴中が破裂する。しゅうっ、しゅうっと、えらい響である。
たちまち、あたりは黄いろい煙に閉じこめられて、まるで先が見えなくなった。
しかし、ガスピストルの音と、火星兵のかぶっている胴がとけて爆裂する響と、それに交って、双方の死物ぐるいの叫び声が、ものすごく山々をゆすぶった。一体、どっちが勝っているのか負けているのか、さっぱり見当がつかなかった。
そのうちに、ピストルの音が、はたとやんだ。しきりに聞えていた火星兵の胴の爆裂音も、にわかにとまった。はて?
珍しい大合戦だ。
火星人と人間との、追いつ追われつの合戦だった。いつも人間隊が、みじめにやっつけられていたが、今度という今度は、人間隊は、強きをほこる火星人隊を向こうにまわして、かなり有利にたたかった。
急に静かになったのは、どういうわけであるか。
大江山隊長、蟻田博士、新田先生の三人は、一つところに集って来た。
「博士、新田さ
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